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ジムでのトレーニングを終え、プロテインを一気飲みしてからシャワーを浴びる。
いつもと変わらないルーティンだが、今日の俺は少しだけソワソワしていた。鏡に映る自分の大胸筋を確認しつつ、少しだけ整髪料で白髪混じりの髪をセットする。今日は特別な日だ。先日、弟夫婦のところに待望の第一子が生まれたからだ。俺にとっては初めての甥っ子になる。
弟の家に向かう道中、デパートに寄って出産祝いを選んだ。小さなベビー服の売り場に、身長180センチ体重90キロの男が一人。店員さんが少し驚いた顔をしていたが、そんなことは気にしない。一番肌触りの良さそうなオーガニックコットンのセットを選んで、俺は弟の家へと急いだ。
玄関を開けると、ミルクの甘い匂いがした。弟が大事そうに抱えている白いおくるみの中に、その小さな命はあった。
「抱っこしてみる?」
弟に促され、俺は恐る恐る手を伸ばした。ベンチプレスで100キロを挙げるこの腕が、今日ばかりは役に立たないんじゃないかと本気で心配になった。あまりにも軽くて、あまりにも壊れやすそうだったからだ。
慎重に、慎重に腕の中に収める。 目が合った瞬間、俺の中で何かが音を立てて崩れ落ちた。
めっっっっっちゃ、かわいい!!!!!!!!!
まだ焦点の合っていない瞳、小さくあくびをする口、俺の指一本を全力で握り返してくる小さな手。その全てが愛おしい。
俺はこの年齢になるまで、独り身の自由さを謳歌してきたし、これからもそのつもりだ。パ自分の子供を持つという選択肢は今のところない。それは自分自身で選び、納得している道だ。
でも、この小さな温もりを抱いた時、心の奥底でチクリと何かが痛んだのも事実だ。「もしも」の世界を想像しなかったと言えば嘘になる。自分に似た子供がいたら、どんな顔をしていただろうか。そんな叶わない未来への憧れが、一瞬だけ胸をよぎった。独身貴族を気取っていても、やっぱり少し羨ましくなる瞬間はあるものだ。
甥っ子はもちろん、全力で甘やかすつもりだ。笑
厳しい教育は弟夫婦に任せて、俺はただただ、この子にとっての「都合のいい、カッコいいおじさん」であり続けようと思う。
帰り道、俺はまたジムに向かった。いつかこの子が大きくなって「おじさん、高い高いして」とせがまれた時、軽々と天井まで持ち上げてやるために。まだまだ老け込むわけにはいかない。40歳、叔父さんとしての人生はまだ始まったばかりだ。


